銀行から融資を受けるうえで大切なこと~試算表~
私は新卒から約12年間を銀行で過ごしました。
個人の資産運用業務からスタートして
個人事業主、中小企業、大企業と様々なステージのお客様とお会いし
主に融資、お金の貸し出しの業務に携わってきました。
今回は、「試算表」にテーマを絞って解説してみます。
試算表ってなんだろう
試算表というのは、決算までの途中経過の報告書です。
税金の申告の世界では年に1回決算をすればよいこととなっているため
極端に言うと、売上がいまどのぐらいか、利益はどのぐらいか・・・
というのは年に1回決められた決算月に計算すればよいこととなっています。
(個人事業主は12月)
ただ、決算期と決算期の間にこれらの数値を知る必要があるとき
例えば
・融資の審査のために金融機関が業績を把握する
・経営者が意思決定のために直近の業績を把握する
・法令で求められている(一部の上場企業等)
・補助金や助成金の申請 etc.
等の際に、直近の月までの実績を集計します。
その際に作成するのが「試算表」です。
(見た目は通常の貸借対照表、損益計算書と変わりません)
うちは試算表が必要?
試算表は、必ず作成した方がよいと思います。
理由はいくつかあります。
金融機関の印象がよくなる、というのももちろんあるのですが
最大の理由は
直近の業績を把握して、最適な意思決定ができること
です。
例えばみなさんが病院にいって検査を受けます。
検査の結果、インフルエンザに罹患していた場合
タミフルやリレンザ等のインフルエンザの処方を受け
薬を服用することで早期に回復に向かうことができます。
このときの検査結果、これがいわば試算表、です。
仮にこの検査を受けていない、病院にも行っていない場合
特効薬の処方も受けられず何日も寝込まなければならない・・・
年に1回の人間ドッグで、「あのときインフルエンザでしたね」
と言われても、寝込んだ数日は戻ってこない訳です。
※ちなみにインフルエンザですが、
タミフルを飲むと、本当にすぐに治りました!
経営環境や会社の状況は
ヒトの体調以上に刻一刻と変化します。
会社の状況(健康状態)をタイムリーに把握して
状況に応じた最適な特効薬を打っていく、
そのためにも試算表の作成は必要となります。
でも試算表を作成するのは大変・・・
実は、銀行員時代、試算表をお願いして
すぐにご提出いただける会社は限られていました。
なぜか?
・単純に作成が追い付いていない
・銀行の担当者に現在の業績を知られたくない・・・
・そもそも年に1回しか資料をまとめていない
など、色々と理由はあると思います。
作成が追い付いていないケースでも
・営業担当者から売上の報告が上がってくるのが遅い
・記帳(帳簿入力)の担当者がいっぱいいっぱい
・書類は会計事務所に提出しているが処理が遅い
なにがボトルネックなのか?
そのボトルネックを解消するためどうすればよいか?
経営者にとってよりよい経営環境を整えていくために
そのようなお手伝いもしていきたいな、と考えています。
