妊娠~産前産後休業中の実務

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妊娠~産前産後休業中の実務

産休育休制度の説明と取得意思の確認

2022年4月より、妊娠・出産の申し出をした労働者に対する育児休業制度の個別の周知と休業の意向確認が義務付けられました。
産休・育休の制度は複雑なので、妊娠・出産を控えた従業員に産休・育休の法令やそれに基づく会社の制度をわかりやすく伝えることが求められます。

妊娠中の体調への配慮

妊娠中の体調は人によってかなり差があります。私の場合は悪阻が辛く、点滴のため週2ほど通院していました。妊娠中に利用できる会社の制度(時差出勤、勤務時間の短縮・休業、深夜業の制限等)を説明しましょう。その際には医師にどのような措置が必要かを指導してもらい「母性健康管理指導事項カード」を記入してもらい、提出してもらいましょう。

産休の取得における社会保険の制度

法令上、産前休業は従業員の請求に基づき与えられるため、妊娠が判明し出産予定日が確定したときには、産前産後休業取得申請書(会社の任意の様式)を申請してもらいましょう。その際には、母子手帳の出産予定日がわかるページのコピーを併せて併せて提出してもらいましょう。
産休中に給与や社会保険料の免除についても説明が必要です。

出産手当金

産休中の給与については無給としている会社が多いと思います。健康保険に加入している従業員には、出産手当金が支給されます。出産手当金は、通常は産後休業が終了した後に産休期間の全期間について請求します。請求に必要な申請書は、従業員本人が記入するもの、会社が記入するもの、医師が記入するものに分かれています。

出産一時金

健康保険の被保険者等が出産したときは、出産育児一時金が支給されます。
その支給額については、令和5年4月より、42万円から50万円に引き上げられました。
現在は、健康保険の保険者(協会けんぽ等)が出産一時金を医療機関に直接支払う「直接支払制度」が普及しています。

産前産後休業中の健康保険料・厚生年金保険料の免除

産前産後休業の取得申請に基づき、会社が「産前産後休業取得者申請書」を提出することにより、従業員負担分・会社負担分ともに保険料の徴収が免除されます。
産前産後休業期間中に申請します。実際の出産日よりも前に申請することもできますが、出産予定日と実際の出産日がずれる時には再度申請が必要となります。