外国人労働者~在留資格について~
日本で働く外国人労働者はおよそ182万人。「外国人労働者」とはその名の通り日本国籍を有しない外国人の労働者です。日本で働く外国人労働者は増加傾向で、10年前に比べておよそ2.7倍増えました。
今日は外国人労働者を雇用する際に注意しなければならない「在留資格」についてです。在留資格とは、外国人が日本に入国後に在留する目的に応じて与えられる資格です。
在留資格
外国籍の方が日本で働くためには、「働くことができる就労ビザ(在留資格)」が必要です。就労の可否に着目すると次の4種類に分けられます。
1.就労に制限のない在留資格
こちらは、身分・地位に基づく在留資格で、就労の制限はありません。
- 永住者
- 日本人の配偶者
- 永住者の配偶者等
- 定住者
2.就労の可否は指定される活動による在留資格
- 特定活動
法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動を行うものに与えられる資格です。該当例としては、外交官等の家事使用人、ワーキング・ホリデー、経済連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者等が含まれます。活動内容には様々なパターンがあり、一概に就労できる在留資格とはいえません。就労できるかどうかは、パスポートに添付される「指定書」を確認する必要があります。
3.就労が認められない在留資格
以下の在留資格は、原則として就労することができません。
- 文化活動・・・収入を伴わない学術上・芸術上の活動を行うための在留資格。
- 短期滞在・・・観光、保養、スポーツ、親族の訪問等で90日以内の滞在のための在留資格。
- 留学・・・教育機関において教育を受ける活動のための在留資格。
- 研修・・・日本の公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする活動
- 家族滞在・・・「教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能2号、文化活動、留学」の在留資格をもって在留する者の扶養を受ける配偶者又は子のための在留資格 。
文化活動・留学・家族滞在の在留資格については、「資格外活動の許可」を受ければ一定の範囲内で就労が可能になります。
4.就労が認められる在留資格(活動制限あり)
定められた範囲で活動ができる在留資格を下記にまとめました。
外交 ・・・外国政府の大使,公使等及びその家族
公用・・・ 外国政府等の公務に従事する者及びその家族
教授 ・・・大学教授等
芸術 ・・・作曲家,画家,作家等
宗教 ・・・外国の宗教団体から派遣される宣教師等
報道・・・ 外国の報道機関の記者,カメラマン等
高度専門職 ・・・ポイント制による高度人材
経営・管理 ・・・企業等の経営者,管理者等
法律・会計業務 ・・・弁護士,公認会計士等
医療・・・ 医師,歯科医師,看護師等
研究・・・ 政府関係機関や企業等の研究者等
教育 ・・・高等学校,中学校等の語学教師等
技術・人文知識・国際業務・・・機械工学等の技術者等,通訳,デザイナー,語学講師等
企業内転勤 ・・・外国の事務所からの転勤者
介護 ・・・介護福祉士
興行 ・・・俳優,歌手,プロスポーツ選手等
技能 ・・・外国料理の調理師,スポーツ指導者等
特定技能・・・特定産業分野に属する知識・経験・成熟した技能を要する業務
技能実習・・・ 技能実習生
認められてない活動に従事させることは違法です
資格外の活動に従事させた場合、事業主は不法就労助長罪に問われる可能性があります。
外国籍の方を採用する際には、就労は可能か、在留資格で認められている資格かどうかをきちんとチェックする必要があります。